小樽のひとよ

かつて日本中でカラオケが流行だったころ
大学時代の友人、
市塚君(故人)はこの「小樽のひとよ」で
マイクを握っていました。
しかもよく音を外しながら。
彼の定番でもあった曲。
「きっと何か心に古い傷でもあるんだろう」と
当時は彼の下手な歌を仕方なく聴いていたものでした。

さて、先日そんなことを思い浮かべながら
小樽の街を歩いてみました。
この日の小樽は青空が広がり、
運河周辺やビロード街は
観光客でにぎわっているようでした。
あの哀切な曲の感じはやっぱり
雪の夜がふさわしいのかもしれませんね。
市塚君もすでに若くして逝き、
「小樽のひとよ」の三條正人さんも
2年前に亡くなりました。
もうこの小樽の街に来る機会もないのかな、
と鮭とばを買って運河を後にしました。
(2019.11.5小樽)